町田市の自然や里山、名所旧跡や人家周辺などをウォーキングする人々が増えてきました。
自然を守り、住民の方々と訪れた方々が気持ちよい関係を保ち続けるための、次のようなウォーキングルールを作りました。
これは訪問者、案内する人も守るルールです。
Ⅰ. 基本ルール
1. 田畑、樹林、屋敷などは個人の土地です。絶対に立ち入らないようにしましょう
2. ゴミや廃棄物を捨てない。ゴミは持ち帰りましょう
3. 動植物、山菜、農作物の採取はやめましょう
4. 車道以外の樹林地へ車で乗りいれないようにしましょう
5. 心がけ
・「お邪魔している」という感謝を持って訪れましょう
・地元の方々に会ったら挨拶をしましょう
解説:里山
人里の周辺で、燃料源であった薪や炭、落ち葉や腐植などの農業用肥料をとるために自然林に手を加えて作られた場所を里山といいます。
関東以北では、アカマツやクヌギ、コナラなどの落葉広葉樹の雑木林が主で、かやぶき屋根の材料や家畜のえさとなったカヤをとる茅場、タケノコや竹材をとる竹林、自家用建築材を取るスギやヒノキ林などもありました。
丘陵地や低山地、平地など地形はさまざまです。里山は、人々の手で利用され、維持管理されてきました。一年の暮らしも里山とのかかわりの中で営まれていたのです。
町田市北部は、里山の景観や維持管理作業を今も保っている貴重な場所です。
(参考文献:「現代雑木林事典」(2001、全国雑木林会議、百水社)
解説:谷戸(やと)
丘陵地が雨や川によって浸食されてできあがった谷を谷戸(千葉県では谷津(やつ)、東北以北では谷地(やち))といいます。
手のひらを下にして指を広げ、机においてみましょう。手の甲を丘陵に見立てると、指が尾根と樹林帯、指と指の間の部分が谷戸です。
雨は丘陵や尾根を伝って谷戸に流れ込み、湿地を作ります。大昔から、人々は谷戸の湿地を利用して水田を作ってきました。
谷戸は、丘陵・斜面林・水辺・湿地・水田などの多様な環境が、狭い範囲に集まっている空間です。このような場所は、それぞれの環境に合った動植物がすんでいます。谷戸は生き物にとって大切な場所なのです。
町田市は多摩丘陵の谷戸にあたります。豊かな農作物と美しい里山景観は、町田市ならではの宝です。
(参考文献:「現代雑木林事典」(2001、全国雑木林会議、百水社)
Ⅱ. 全地域を歩く時
1.保全地域とは・・・町田市には都が指定する環境保全地域が5ヶ所あります。
(保全地域の解説、規制や保全については、≪別紙1【PDF】≫をご覧ください。)
・図師小野路歴史環境保全地域
(縄文時代からの歴史遺産と一体となって、貴重な動物、鳥、植物など自然を保護することを目的としています。立ち入りの制限がある地域となっています。鳥獣保護地域にも指定されています。)
・七国山緑地保全区域
(樹木地、水辺等、その良好な自然を保護することを目的とします。)
・町田代官屋敷緑地保全地域
・町田関ノ上緑地保全地域
・町田民権の森緑地保全地域
2.特に、図師小野路歴史環境保全地域でのルールについて
この地域での自然観察路は、≪別紙2【PDF】≫のように規制があります。
良く注意を払って歩いて下さい。
Ⅲ. 田園を歩く時
1. 田園には入らないようにしましょう
2. 畦や畔は私有地です。絶対に入らないようにしましょう
3. すばらしい農地を維持・管理されている土地の方々への感謝を忘れないようにしましょう
4. 田園風景の保全や維持活動を支援するために、あなたができることをしましょう
解説
田畑の端で、保水や施肥、通行のために、土を固めて築かれた土手を畦(あぜ)または畔(あぜ・くろ)といい、あわせて畦畔(けいはん)と呼ばれることもあります。 他の農家との境を畦、自分の農地の中の田畑の境界を畔と呼び分けています。 畦畔はもともと田畑の所有者のもので、なによりも田畑を守る大切な空間です。一年の農作業は畦の補修からはじまります。 農家の人々は、畦を通れば近道であっても遠回りして公共の道を使い、子どもたちは、田んぼに水が入ったら畦にはいってはいけないと厳しく教えられて育ちました。
Ⅳ. 寺社を訪問する時
寺社は歴史があり、精神的に神聖な場所ですから、敬う気持ちを大事に。
1. まず、参拝しましょう。出来ればお賽銭を
2. 文化財に触れないように
3. 他の参拝者や、神事の邪魔にならないように
4. お墓への立ち入り、墓石に触れること、縁石を跨がないこと
5. 周辺のお墓への配慮をする
Ⅴ. 人家周辺を歩く時
1. 大声を出さないようにしましょう
2. 噂や評価に関する話しをしないようにしましょう
3. 住民の方々のプライバシーをおかさないようにしましょう